何気ない日常を切り取ったやさしいマンガ。絵を見るだけでも癒されます。つい、自分の子供の頃を思い出したり、自分自身の経験と重ね合わせたり…
うまく言えませんが、自分の気持ち、家族の優しさや、大切なものが何か?をちょっとだけ考えさせられる、そんな感じのマンガです。
作者は「ながしまひろみ」さん。絵(イラスト)が大好きです。もちろん、内容もとても素敵です。
糸井重里さん(ほぼ日刊イトイ新聞)のことばを、発想の糸口にして、ながしまひろみさんが自由に広げた「ゆきちゃんとおかあさん」の小さな物語。
きっとたくさん共感できる部分が見つかると思います。是非ご覧ください。
ながしまひろみさん・プロフィール
1983年北海道生まれ。マンガ家、イラストレーター。
著書にマンガ『やさしく、つよく、おもしろく。』(ほぼ日ブックス)、
絵本『そらいろのてがみ』(岩崎書店)、マンガ『鬼の子』全2巻(小学館)。
デザインの仕事をしながら絵を描きはじめ、2019年6月からフリーランスとして活動中です。
公式サイトより
第26話 「がんばれ」
「がんばれ」って意味じゃなくて、
その(「がんばれ」という)声なんだと思うんです。
『忘れてきた花束』P.59より
言葉って不思議
最後の言葉を読んだときに、「あっ、何となくわかる!」って感じた個人的に好きな回です。
「がんばれ」って、優しい「がんばれ」もあれば、力強い「がんばれ」もありますよね。声の大きさやトーン、ゆっくりだったり、早かったり。
「がんばれ」っていう声(音)1つで、元気が出たり、慰められたり、時には逆に辛かったり、言葉って不思議です。
▼▼その他にも、素敵な内容がたくさんあります。
第5話「青春は」
あなたは、何歳でしょう。
もう青春は終わってますか。
それとも現在進行形ですか。
青春は、何歳のこころのなかにも、
ちょっとありますよね。
『ともだちがやって来た。』P.24より
第8話「ともだちとは」
「ともだち」の定義とはどういうものか、
とあらためて問われたら、
人によって、ずいぶんちがった答えになるでしょうね。
「ぼくは、すっごくいっぱいともだちがいてね」
と言う人の孤独だって、想像できます。
「わたしには、ともだちがいない」
と泣いている人のことを、
大事な「ともだち」だと思っている人も
いるかもしれない。
『小さいことばを歌う場所』P.13より
第16話「記憶」
憶えていようと思ったわけでもないのに、
忘れないことは、いっぱいある。
なんでも、
こんなに憶えているものなんだと知っていたら、
もっと丁寧に生きてこられたのかもしれない。
『小さいことばを歌う場所』P.219より
とても可愛らしく、ちょっぴり切なくて、心温まるマンガ。どんな世代の方にもおすすめです。
私は読み終えた後、ゆきちゃん(漫画の女の子)と同じ年頃くらいの事を思い出しました。
恥ずかしかった事、今も子供の頃とあまり変わってない部分があること。もう少し、家族・友達…周りの人を大切に、優しくしようと思いました。
きっと、人それぞれの「大切な何か」を感じることができる素敵なマンガです。
是非ご覧ください。
第1話からもご覧いただけます
▼▼ご興味のある方は、第1話から是非ご覧ください。本当に素敵です!
書籍もおすすめです
ながしまひろみさんが描いたはじめてのマンガ、『やさしく、つよく、おもしろく。』が、たくさんの人に求められて、1冊の本になりました。
登場人物は、小学生のゆきちゃんとそのおかあさん。そして、ゆきちゃんのクラスメートたち。みんなが過ごす毎日は、私たちと同じ、なんでもない毎日です。
それなのに、いえ、だからこそ、描かれた何気ない毎日の何気ない場面が、愛おしかったり、おかしかったり、懐かしかったりするのです。
糸井重里のことばを、発想の糸口にして、ながしまひろみさんが自由に広げた、ゆきちゃんとおかあさんの小さな物語。
本にするにあたって、たっぷりの描き下ろしと描き直しを加えました。名久井直子さんのブックデザインも素敵です。ぜひ、大切な1冊にしてください。
ほぼ日刊イトイ新聞より