初七日法要は「命日(または命日の前日)から数えて7日目に行われる法要」です。その初七日法要ですが、最近は「お葬式と一緒に済ませる(告別式と同日に済ませる)」ことが一般的です。
その様な初七日法要を「繰り上げ初七日法要」と言います。
- 1回目:初七日法要(7日目)
- 2回目:二七日法要(14日目)
- 3回目:三七日法要(21日目)
- ・・・
- 6回目:六七日法要(42日目)
- 7回目:七七日法要(49日目)=四十九日法要
「二七日~六七日法要は省略し、四十九日法要(忌明け)は行う」が最も多いと思います。
繰り上げ初七日については、お葬式をご依頼した葬儀社さんが打合せ時にアドバイスをしてくれるはずですので、あまり心配する必要はありません。
今回は「繰り上げ初七日法要」について簡単にご説明します。
初七日法要はお葬式(告別式)と一緒に済ませることが一般的
本来、初七日法要は命日から7日目に行います。しかし、火葬場が混雑し、お葬式日程が遅れた場合、初七日法要がお葬式終了後の1~2日後になる可能性もあります。
- 1日目:ご逝去
- 2~3日目:ご安置
- 4日目:お通夜
- 5日目:告別式・火葬=お葬式終了
- 6日目:空き日
- 7日目:初七日法要
お葬式が終了した数日後に再度ご親戚が集まるのは大変です。そのため、初七日法要だけはお葬式当日(告別式と同じ日)に繰り上げて一緒に済ませることが一般的になりました。
このように、初七日法要を繰り上げて行うことを「繰り上げ初七日」と言います。
繰り上げ初七日法要には2種類あります
ご説明したように、初七日法要を告別式と同じ日に繰上げることが最近では一般的です。
そして、繰り上げ初七日法要には「2種類」あります。
- 繰り上げ初七日(一般的)
告別式⇒火葬⇒収骨を終えた後に行う - 式中初七日
告別式の後(火葬前)に行う
1.繰り上げ初七日(一般的)
収骨(お骨上げ)を終えた後、葬儀会場やご自宅・寺院にて初七日法要(30~40分程度)を行います。一般的な「繰り上げ初七日法要」は、このパターンです。
告別式⇒火葬⇒収骨⇒初七日法要⇒ご帰宅
2.式中初七日(しきちゅうしょなのか)
告別式を終えた後、そのまま続けて初七日法要を行います。この様な繰り上げ方法を「式中初七日(しきちゅうしょなのか)」または「繰り込み初七日」と言います。
火葬前に初七日法要を済ませるため、収骨を終えた後はご帰宅となります。最近はこの式中初七日を希望される方が増えています。
告別式⇒初七日法要⇒火葬⇒収骨⇒ご帰宅
「式中初七日」が増加傾向
今後は【2.式中初七日】が増加すると思います。最大のメリットは、「1.一般的な初七日法要」よりも1~2時間ほど短縮が可能です。
告別式の開式や火葬場入場が遅い場合、収骨後の初七日法要では終了が17時~18時になります。そのため、遠方から来られる親族様がいらっしゃる場合、式中初七日を選択される方が非常に多いです。
菩提寺(お付き合いのある寺院)の承諾も必要
最近では繰り上げ初七日法要が一般的です。多くの寺院(僧侶)様が経験済みで、ほぼ問題なくご理解くださいますので、あまり心配の必要はありません。
ただし、初七日法要の本来の意味からは外れているため、菩提寺から繰り上げ初七日法要を断られる可能性もゼロではありません。この点については、各寺院(僧侶)のお考え次第なので、菩提寺へお問い合わせください。
「式中初七日」は反対される可能性が高い?
「式中初七日」は菩提寺から断られる可能性が高いかもしれません。その理由は、本来の初七日法要は故人様が【遺骨】になった状態で行う法要です。しかし、「式中初七日」では火葬も終了していません。そのため、寺院様によっては固く反対する場合があります。
菩提寺(お付き合いのある寺院)がある方は、事前に「式中初七日でお願いしたいのですが…」と相談されることをおすすめします。
繰り上げ初七日に対するお坊さん(僧侶)の本音
実際に、繰り上げ初七日について、何人かの僧侶へ尋ねてみました。その回答は以下になります。
- 繰り上げ自体、本来の初七日から逸脱してるが、合理性を考えれば理解できる
- 時代に合わせて葬儀内容も変化しているので、法要の変化も必要
- 色々な事情も理解できるが、式中初七日は(仏教上)あまり好ましくない
本当はダメだけど…
「火葬・収骨後の初七日法要は、ご家族様の都合・日程的にまだ理解できますが、【式中初七日】は本当はダメ!
でも、檀家さんのご希望であれば…お葬式もいろいろですからね…」
という僧侶が多数でした。「時代の変化、檀家さんの希望に合わせることも必要」という気持ちもお持ちのようです。
お葬式も法要も、時代と共に合理的に変化してきた部分はあります。
- 自宅葬や自治会館でのお葬式 ▶ 公営斎場や家族葬ホールでの葬儀
- 参列者多数のお葬式 ▶ 家族葬・1日葬(告別式のみ)・直葬(火葬のみ)
- 法要 ▶ 部分的に省略・一切行わない
近年、1日葬(告別式のみ)・直葬(火葬のみ)・無宗教葬などの新しいお葬式が誕生しています。儀式的に矛盾があっても、最も大切なのは「故人様のご家族・親族(送る側)の気持ち」だと思います。
繰り上げ初七日での「御布施」の金額は変わる?
一般的なお葬式(お通夜・告別式の2日間)での御布施(僧侶への御礼)の平均は「20~30万円(※当社データ)」です。
【御布施に含まれる内容】
枕経、読経(お通夜・告別式・初七日法要)、標準的な戒名(法名)、お膳料、お車料
御布施には「初七日法要」分も含まれる場合が多いですが、初七日法要分は別途の寺院もあります。
御布施の内訳は寺院によって様々です。「お葬式と初七日法要分も含めて、初七日法要分は別途、お葬式と四十九日法要分まで含めて」などがあり、その金額も様々です。
1.繰り上げ初七日(一般的)の場合
告別式終了の2~3時間後に初七日法要を行うため、1日で2度のお勤め・来場となります。そのため、寺院様によっては、「初七日法要分は別途◯万円(※)」の可能性もあります。
2.式中初七日の場合
告別式と一緒に初七日法要を済ませる式中初七日では「御布施が少し安くなる?」と思われるかもしれませんが、基本的には同じとお考えください。
御布施の金額がわからない場合は、はっきりと聞きましょう
御布施の金額は基本的に寺院様の考え次第です。「お気持ちで結構です…」と菩提寺から言われる場合も多いですが、御布施の金額を尋ねても失礼には当たりません。
「不勉強なもので、他の檀家さんはいくらほど包まれていますか?」
とお聞きしましょう。
また、御布施は本来「その人ができる範囲での御礼」です。ご家庭の事情を考慮せずに高額な御布施を提示された場合は、「無理です!」とはっきり言うことも大切です。
どちらの「繰り上げ初七日」を選択するかは、基本的にご家族様の自由
「1.繰り上げ初七日」・「2.式中初七日」、どちらを選択されるかは基本的にご家族様の自由です。ご家族・親族の都合をきちんと話せば、菩提寺(お付き合いのある寺院)も快く了承してくれるはずです。
また、お葬式は地域で慣習が異なります。繰り上げ初七日・式中初七日は、都市部では広く認知されていますが、ご存知ない方もいらっしゃいます。ご高齢・地方から来られる親族の中には、「式中初七日!?何それ?」と驚かれるケースも稀にありますので、事前に説明されることがおすすめです。
今回は繰り上げ初七日についてご説明しましたが、あまり心配する必要はありません。お葬式を依頼した葬儀社さんがアドバイスしてくれるはずですので、その時に「初七日法要をどうするか?」をご判断ください。
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