関西では8月13日～16日がお盆期間になります。最終日16日に行われる「京都五山送り火」が有名ですね。
お盆には「お墓参り」が一般的ですが、それ以外に「みんな何か特別な法要でもしてるの？」と思われる方もいらっしゃいますが、多くの方が「お墓参り」のみです。
ただ、「初盆（四十九日法要を終えた後に迎えるお盆）」に当たる時はご家族・親族が集まり法要を行う方が多いです。
どんな法要（四十九日法要・一周忌・三回忌…）であっても、法要を行うか？行わないか？は、基本的にご家族・親族様の自由です。
お盆という言葉は、サンスクリット語の「ウラバンナ」を漢字に当てはめた「盂蘭盆会（うらぼんえ）」の略です。
盂蘭盆会の由来は「盂蘭盆経（うらぼんきょう）」という経典に書かれたお話で、【お釈迦さまの弟子である目連尊者が餓鬼道に堕ちて苦しんでいる亡き母をお釈迦さまの教えに従って救う話】が由来です。
そのお話しから、お盆の時期は「ご先祖様に感謝し供養する大切な日」となりました。
ご興味のある方は、一度調べてみてはいかがでしょうか。
お盆の法要・供養って必ずするの？何をするの？
お盆は、お坊さんが自宅に来て読経したり、お墓参りやお仏壇の掃除をする…そんなイメージを多くの方が持たれていると思いますし、その通りです。
- お盆は親戚が集まり、菩提寺のお坊さんが自宅に来て読経。その後お墓参りに行く
- 菩提寺で開催される法要に参加して、お墓参りに行く
- それぞれ各自で自由に供養（お墓参りなど）をする
繰り返しになりますが、基本的にお盆の法要・供養をするか？しないか？は自由です。菩提寺や誰かに強要されるものでもありませんし、無理に行う必要もありません。
また、故人様が亡くなられてから年月が経つほど、ご家族・親族が集まる機会が自然と減っていくのは皆さん同じです。
お一人おひとりが「故人様を思い出しながら」何かをする。それが何であっても立派な供養になっていると思います。
菩提寺が「ある」人：お葬式で菩提寺のお坊さんがお勤め（読経）に来た方
お盆には、菩提寺の住職（僧侶）がご自宅に来て読経をしたり、菩提寺から合同法要（盂蘭盆会などのイベント）の案内ハガキが届くと思います。
お盆行事に対する姿勢や考え方は寺院・宗派で異なりますので、詳しくは菩提寺にお問い合わせください。もし、ご自身・家族のご都合が悪ければお断りしても良いと思います。
お盆の風習は地域で異なります。個人的に印象的なのは長崎県ではお墓で花火や爆竹を鳴らします。その他の地域では精霊流しや灯篭流しをしたり、精進料理を墓前にお供えしたりします。
盆踊りも平安時代の空也上人というお坊さんが始めた踊念仏がルーツで、本来は霊を供養する意味合いがあります（諸説あり）。
最近では、寺院が地域住民が参加しやすい法要行事を積極的に開催しています。
菩提寺が「ない」人：お葬式で葬儀社にお坊さんを紹介してもらった方、直葬・無宗教葬で済まされた方
葬儀社にお坊さんを紹介してもらった方、無宗教（お坊さんなし）でお葬式を済まされた方は、特定の宗教や寺院にとらわれないので、お盆の過ごし方も自由です。
再度、葬儀社にお坊さんを紹介してもらい法要を行うのも良いですし、ご家族だけでお墓参りに行くだけの方も多いです。
初盆（はつぼん）はきちんと行う方が多いです
初盆は、故人様の四十九日法要を終えた後に初めて来るお盆をです。新盆（新盆）とも言います。初盆は大切な法要とされていますので、きちんと行う方が多いです。
例えば、8月1日にお亡くなりになった場合、四十九日法要は9月になるため、初盆は「来年の8月」になります。
初盆では、精霊棚やお供え物、盆提灯を用意し、迎え火・送り火を焚く…と説明がある本やサイトも見かけますが、そこまで完璧にする方は非常に少ないですし大変です。
お葬式をきっかけに将来の事（菩提寺との関係、お墓など）を考える
法要や菩提寺に対する考え方は本当に様々です。
- 菩提寺と言ってもお葬式の時だけの関係（寺院内にお墓もない）なので、お盆は家族だけでお墓参りをする。
- もう田舎に帰る予定が無いため、お葬式を機に檀家を辞めようと考えている。
- 菩提寺の住職が高齢で法要や行事を行っていない。後継者も不明で、この先が不安。
- 昔からの菩提寺はあるけど、今後は必要ない（断ろう）と思っている。
- 寺院のお墓をやめて、永代供養の合祀墓へ変更する予定。
- お葬式は無宗教で済ませた。お盆は親戚が集まるので葬儀社にお坊さんを紹介してもらう予定。
お葬式は今後の事を考える良い機会でもあります。菩提寺との関係・お墓などについて、ご家族・親族の意見を整理するのもおすすめです。
- お墓をやめる
- お墓を他の場所に移す
- 檀家をやめる
必ず予定通りに進むとは限りませんが、将来の事を考えるのはご自身のためだけはなく、子や孫にとっても重要な事だと思います。
基本的にどんな法要であってもご家族様の自由
菩提寺がある方・ない方、ご自宅にお仏壇がある方・ない方、お墓がある方・ない方、納骨をした方・していない方…状況によって、法要や供養の仕方は変わってくると思います。
菩提寺から法要を強要されるものでもないですし、法要や供養の仕方はご家族様、お一人おひとり自由で良いと思います。
- お墓参りに行く
- 菩提寺の法要行事に参加する
- お仏壇を掃除して、お供え物をする
- etc…
大切なのは「ご家族・親族との関係性が悪くならないようする」ことだと思います。
故人様を「思い出す」ことだけでも立派な供養
お盆以外に、お彼岸（3月、9月）や一周忌・三回忌などもご家族・親族が自由に納得するかたちで供養すれば良いと思います。無理に大変な思いをしてまで法要を行う必要はありません。
故人様が好きだったお花を写真の横に飾る。好きだった食べ物をお供えする…ちょっとした事でも、故人様を思い出しながらの行動であれば、それだけで十分に供養ができていると思います。
もしかすると【思い出す】ことが一番の供養かもしれませんね。
またある方は、「お墓参りは子供の教育にもなると思ってます。8月は暑くて嫌だろうけど（笑）」とおっしゃっていました。確かにそういう面も大切かもしれませんね。実際、年齢を重ねるにつれて少しずつ分かってくる事もあります。
お盆は、盆休み・夏休みと重なってご親族が集まりやすい期間です。年に1度の短い期間をご先祖様を偲ぶ日として、大切にしてみてはいかがでしょうか。
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