遺骨ダイヤモンド(メモリアルダイヤモンド)のご依頼をいただきました。お母様がお亡くなりになって約1年、ご兄妹でダイヤモンドを1つずつ製作します。
完成したダイヤモンドは、カットを施し指輪やネックレス・ピアスなどにジュエリー加工をして身に付ける事ができます。また、原石でのお渡しも可能です。
「遺骨ダイヤモンドって何?」と思われている方も多いと思いますので、簡単にご説明します。
天然ダイヤモンドと同じです
天然ダイヤモンドは地球内部(地下百数十km)の高温高圧な環境で炭素が結晶化され、火山活動によって噴火するマグマの中に含まれ地表に現れます。
ダイヤモンドは単一元素(1種類の元素)で構成された唯一の宝石であり、特殊な環境と長い年月によって奇跡的に誕生します。私たちが身に付けているダイヤモンドも数億年前に結晶化されたものです。
故人のご遺骨からダイヤモンド製作に必要な炭素を抽出
遺骨ダイヤモンドは、ご遺骨に含まれる炭素(Carbon 化学式:C)を科学的に抽出し、人工的に高熱高圧の環境をつくり出すことで製作される人工ダイヤモンドです。成分・硬度・輝きは天然ダイヤモンドとまったく同じです。
スイスで製作します(期間:約6カ月)
製作は日本国内ではなく、ヨーロッパのスイス国内の美しく清潔な環境の下で製作します。製作工程は、「ご遺骨をスイスへ空輸 ⇒ 分析・炭素抽出 ⇒ ダイヤモンド生成 ⇒ カット・研磨」まで約6か月程度になります。
サイズは10サイズ、カットは3種類
サイズは0.2~1.0カラットまでの10サイズ。カットは「ブリリアント・プリンセス・アッシャー」の3種類からお選びいただけます。
その後、指輪やネックレスなどのジュエリー加工は日本国内で行います。また、ジュエリー加工なしで「原石」でのお渡しも可能です。
参考価格(税込、令和5年時点)
- 0.20カラット:525,000円
- 0.25カラット:704,000円
- 0.30カラット:825,000円
- …
- 1.00カラット:3,135,000円
自分らしい祈りのかたち
お一人おひとり色々な考え方、価値観があります。どんな看取り方をするのか。どんなお葬式をするのか。そして、どんな供養をするのか…
以前はご遺骨の供養方法はお墓と納骨堂しかありませんでした。しかし、「長男が家督を継ぎお墓を守る」という時代ではなくなってきています。
そんな時代の変化に対応するように、現在はお墓・納骨堂でも様々なタイプが登場しています。他に、樹木葬・海洋散骨・手元供養・遺骨ダイヤモンドと供養の選択肢が増えています。
価値観の多様化、ライフスタイルの変化に対応したサービスが誕生することは、個人的にとても良い事だと思います。
ご遺骨の供養方法は、将来の事も含めてゆっくりと考えましょう
新しくお墓や納骨堂を購入すると、一般的に数十万円~100万円程必要だと思います。加えて、年間管理費などが必要な場合もあります。
また近年、利用者が増加している「合祀墓・共同墓」は、永代供養付きで承継者(墓守)の心配が無く、費用も数万円程度で納骨が可能です。しかし、納骨後は二度と遺骨を取り出すことが出来ません。
ご遺骨の供養方法は、色々な選択肢があります。
遺骨ダイヤモンドは確かに高額ですが、日本だけでも毎年200件以上のご依頼があります。離れた場所で納骨されているより、ジュエリー(指輪・ネックレス)として自然に身に付けられ、いつも身近に感じられることが遺骨ダイヤモンドの最大のメリットかもしれません。
単純に価格だけの問題ではありませんし、お墓・納骨堂・遺骨ダイヤモンド、それぞれにメリット・デメリットがあります。
現状や将来の事を含めてゆっくり考えることが重要です。
悲しみは無くならない(映画:ラビット・ホール)
映画:ラビット・ホール/Rabbit Hole(2010年:アメリカ)
【息子を亡くした娘と、かつて息子を亡くした経験のある母。同じ経験を持つ親子の会話】
娘:「悲しみは消えるの?」
母:「いいえ、悲しみは無くならないわ。でも、そのうち耐えられる重さに変わってゆくわ。大きな岩のような悲しみは、やがてポケットの中の小石に変わってゆくの。そうすると、一瞬忘れてしまうこともある。でも、ふとポケットに手を入れると小石に触れてまた思い出してしまう。それは辛いことだけど、あの子の代わりに小石が入ってるってことなの。だからポケットの中に小石を持ち歩くことは、それほど酷いことじゃないのよ。」
大切な人を亡くした悲しみは完全には消えないと思います。でも、時間が徐々に小さくしてくれるのも確かだと思います。
忘れられない、忘れたくない、けど思い出すと悲しい… そんな複雑な気持ちを抱きながら、ちょっとずつ前を向いて日々を過ごしてゆく…
葬儀社スタッフとして、様々なご家族・状況を見てきましたが、大切なモノやそれに対する想いは本当に人それぞれです。
お墓、遺骨ダイヤモンド…どんなかたちであっても、それが心の拠り所になって、勇気づけられたり、前向きな気持ちになったりできる。そんな存在って、何ものにも代え難いものだと思います。
悲しみは「乗り越える」ものではなく、「一緒に歩んでゆく」が正しいのかも知れませんね。
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新家葬祭
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