遺産相続についてお悩みの方も多いと思います。そして、今どんな状況なのかもお一人おひとり異なります。
- まだ相続が発生していない(将来の不安)
- 今まさに遺産相続の手続きが始まったところ(お葬式終了直後)
- ご自身の遺産について
「故人の遺産を誰が・どれだけ相続するのか?」気にされている方、「借金がある場合、自分に関わってくる?」と不安な方、「自分自身が死亡した場合」についてなど、相続のお悩みといっても様々です。
実際の手続きを考えると、最初に専門家へのご相談もおすすめです
近年、相続に関する書籍もたくさん発売されていますが、1から読み進めて理解するのは大変です。
結論を先にお伝えすると、書籍などで断片的に理解できたとしても、“実際の手続き”の事を考えると、やはり専門家(相続のプロ)へご相談されることがおすすめです。
初回相談は無料の場合が多いですし、「何となく不安な事がある…」から相談をスタートするのも良いと思います。必ずしも頭の中が整理された状態でなくとも、専門家は的確に質問・アドバイスをしてくれます。
ここから先は、「相続ってちょっと大変」という内容を書いてみました。断片的な内容なので、まとまりに欠けますが、よろしければ読み進めてください。
故人の遺産は数字の様に簡単に分割できません
相続について書籍やインターネットで書かれている内容は、読者(素人)が理解しやすいように参考事例が簡単なものが多いです。
例えば、「夫が亡くなり、相続人が妻と子2人で遺産が2,000万円ある」場合
法律上の相続は、「妻が1/2の1,000万円、子2人で残り1/2の1,000万円」です。
しかし、実際の遺産は数字の様にきれいに分割できるわけでありません。
遺産に「不動産」が含まれる場合、簡単に分割できません
もし上記例で、遺産2,000万円の内訳が「不動産(自宅)1,500万円・預貯金500万円」であれば、自宅を売却(お金に換える)しなければ上記例の様に分割できません。
住む場所が無くなる?・誰かが相続を諦める?… この時点で争いが起こる可能性が出てきます。実際には、子が「お母さんが全部相続したらイイよ」となる場合が多いですが、争いがおこる可能性も0ではありません。
正式な相続人は「故人の戸籍」を調査しないと確定できません
次に、「誰が遺産を相続するか(法定相続人になるか)?」も簡単に決まらない場合もあります。
通常、「夫・妻・子」の家族構成で夫が死亡した場合、法定相続人は「妻・子」です。
- 被相続人(遺産を残す人)=夫
- 法定相続人(遺産を相続する人)=妻・子
しかし、正式な相続人を確定するには、被相続人(故人)の戸籍を「出生~死亡まで」すべて調べる必要があります。
- 被相続人(ひそうぞくにん)=財産を残す人
- 法定相続人(ほうていそうぞくにん)=民法で定められた相続人
相続手続きには、被相続人(故人)の「出生~死亡まで」の戸籍が必要です。
「知らない人が相続人」に該当する場合もあります
戸籍を調べると、知らない人(隠し子)が見つかることもあります。実際に「父の戸籍を調べたら、知らない妹がいました!」という事も過去にありました。
また、夫が再婚で前妻との間に子がいる場合は、その子にも相続権がありますので無視はできません。
ご家族・親族の構成によっても相続人が変わります。遺言書が見つかる場合もあります。色々な問題が複合的に絡んでくると、途端に素人では対処ができなくなります。
故人・相続人の戸籍集めに苦労する場合もあります
先ほどご説明したように、被相続人(故人)の「出生~死亡まで」の戸籍を集めることで正式な相続人が確定します。同時に、各相続人の戸籍も必要です。
そして、戸籍集めに苦労する場合もあります。
役所に行けば、全部の戸籍が揃うんじゃないの?
とお考えの方も多いと思いますが、死亡時の住所地で全部の戸籍が揃うとは限りません。戸籍は住所地ではなく「本籍地」をさかのぼって集めます。そのため、故人様によっては他府県の役所へ請求する必要があります。
例えば、本籍地A(出生)⇒ 本籍地B⇒ 本籍地C(死亡)と本籍地を変更している場合。まずCで取得し、その戸籍を読み解いてC⇒B⇒Aとさかのぼります。
平日に役所を回ったり、他府県の役所と郵送で手続きをすることに専門家は慣れていますが、現役でお仕事をされている人は大変です。
相続税はあまり気にしなくても大丈夫です
実際、「相続税」の支払い対象となる人は数%です。ほとんどの方は相続税は0円で支払う必要はありません。
「遺産を相続した=相続税を必ず支払う」ではなく、「ある基準額以上」を相続した場合に相続税が発生します。その基準額が「基礎控除額」です。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)
例えば、夫・妻・子2人の家族構成で夫が亡くなった場合、法定相続人は妻と子2人=合計3人になります。その場合、基礎控除額=3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円を超えなければ大丈夫です。
生前対策:遺言書の作成
生前対策には、生前贈与や生命保険など色々ありますが、代表的なものは「遺言書」です。親御さんに自分から勧めて遺言書を書いてもらうことは少ないと思います。自発的にご自身の財産を分割したい方が利用する場合が多いです。
でも、遺言書に書けば何でも希望通りになるわけではありません。基本的に遺言書は財産に関する事のみです。
また、遺言書には「付帯事項(法的効力なし)」というものがあり、ご家族に希望・指示・依頼などのメッセージを残すことができます。ある意味、この部分がとても大切です。
エンディングノートには法的効力はありません
エンディングノートをは、主にご自身の情報(金融口座やお葬式の希望など)を残すためのものです。法的効力はありませんが、残されるご家族様が助かることも多いと思います。書店で購入可能です(1,000円~1,500円程度)。
現時点での「身の回りの情報を整理する」という意味では、年齢に関係なくおすすめです。
▼個人的におすすめの「コクヨのエンディングノート」です。
財産を相続しない・したくない(相続放棄)
故人の財産を相続したくない場合は「相続放棄」が可能です。相続放棄をすると「プラス財産(預貯金など)」と「マイナス財産(借金など)」の両方を放棄することになります。
「ご自身が相続人に該当すると知った時から3か月以内」に家庭裁判所での手続きが必要です。相続放棄をご希望の場合は、専門家(弁護士・司法書士など)へのご依頼がおすすめです。
相続放棄は、ご家族・親族全体で考える必要があります
相続放棄の注意点として、「ご自身が相続放棄をすると、相続権が他の親族に移る」場合もあります。相続放棄をする場合は親戚全体で話し合って、迷惑をかけない事が大切です。
個人的な気持ち
昔、相続の勉強をスタートした時の個人的な気持ち
相続人には順位があって、組み合わせによって遺産の分配割合が違うんだ。
もし遺言書が出てきたらドキドキするな。相続放棄は3か月以内か。不動産の名義変更(相続登記)も大切だな。
遺産分割協議、遺留分、相続税… これも…あれも……
これ、本当に素人が対処できる?
と思いましたし、今でも思います。
相続の基本を理解するだけでもかなりの情報量です。お葬式後に短時間で必要な手続きを把握して、総合的な手順を時系列に並べるのは困難だと思います。
本を読んで部分的に理解できても、実務を考えると相続の専門家(弁護士・司法書士など)への依頼が不可欠だと思います。
内容にもよりますが、それほど費用が掛かるものではないと思いますし、悩む時間やミス、後々のトラブルを考えると、私はお金がかかってもプロに任せたいと考えます。
無料相談を利用しましょう
相続は残されたご家族にとって非常に重要です。でも、大切な財産には法律が関わりますので、当然ですが手続きは厳格です。反対に考えれば、自身の権利・財産がしっかり守られているとも考えられますが、手続き内容によっては一般人にとってはハードルが高いです。
日常生活において、弁護士や司法書士さんと接する機会がないので少し緊張する人も多いですが、とても親切に相談にのってくると思います。少なくとも当社とお付き合いのある専門家の人たちは皆さん親切です。まずは、無料相談を利用してみましょう。
相続の全体像を把握して、「自身で行うもの、専門家に依頼するもの」を選択すれば良いと思います。
もし、「この人と何となく合わないなぁ…」と感じたら、セカンドオピニオン的に考えて新しい専門家を探しましょう。相性も大切だと思います。
とりあえず相談をして、不安を解消しましょう
お葬式についても、「家族葬が良い、予算は〇〇万円以内に収めたい、亡くなったらどうすればいいんだろう?」と色々考えると思いますが、悩みを解決する一番の方法は「とりあえず葬儀社に相談する」です。実際に「相談して良かった」とお言葉を頂くことも多いです。
遺産相続についても同じです。「とりあえず専門家に相談してみる」が一番だと思います。
- 相続人は誰?、相続税は発生する?
- 親の面倒を見たので、遺産を多くもらえる?
- こういう風にしたいけど、法律的に問題ない?
- 行方不明の家族がいる
- 相続人の1人が海外に住んでいる
- 自宅はあるけれど、土地が借地
人それぞれ色々な悩みや疑問があると思います。頭の中が整理されていなくても、最初は「何となく相続で不安な事がある…」程度で大丈夫です。専門家から適切に質問があり、解決方法を明確にしてくれるはずです。
お一人で悩んでしまう気持ちもよく分かりますが、思い切って行動してみることも大切です。きっとスッキリすると思います。