先日のお問い合わせ
遺骨をダイヤモンドにできることを知り、主人の遺骨をダイヤモンドにしようと思ったんです。
でも、友人に話したら「そんな遺骨をダイヤなんて絶対ダメ!」って言われたんですけど、どうなんでしょうか?
ご相談者様(Aさん)は友人の強い発言に驚いてしまい、どんな理由で反対なのか?を聞きそびれたようです。
遺骨をダイヤモンドにしたい ⇒ でも友人から反対された。それも結構強く。
「何か宗教的にダメな理由があるのかも?」と不安になって当社に電話をされたそうです。
私たちスタッフも明確な理由が思い浮かばず、Aさんと色々話しましたが、結局は人それぞれの考え方次第という結論になりました。Aさんも前向きに検討されるそうです。
基本的にご遺骨の供養方法は自由です。
もちろん、将来の事も踏まえて慎重に考えるべきだと思いますが、どんな供養を選択したとしても、何か特別に大きな問題は無いと思います。他人に迷惑をかけるわけでもなく、金銭的に致命的な損失が発生することもないはずです。ご自身が可能な選択肢の中で納得できるものがおすすめです。
ただ、大切なご遺骨に関する事ですので、ご自身1人の判断で決定せずに、他のご家族・親族へ「こんな供養をしたい」とお声掛け、意見を聞いてみることは最低限必要だと思います。
今回は、遺骨ダイヤモンドに対するお坊さん・実際の依頼者様の意見、墓じまい(改葬)などについて簡単にご紹介します。
ご遺骨の供養方法は、故人様のご家族の自由
基本的に故人様の遺骨の供養方法は、故人様のご家族(配偶者や子)・親族が自由に決めても良いと思います。
菩提寺(お付き合いにある寺院)や他の誰かに指示・強制されるものではありません。
- お墓への納骨
- 永代供養の合祀墓に納骨
- 海洋散骨
- 遺骨ダイヤモンド
どんな形であっても、ご家族・親族様が納得ができれば問題はありません。ただし、大切な遺骨に関することですので、十分に話し合って決めることがおすすめです。
遺骨ダイヤモンドは、遺骨に残る炭素から製造する人工ダイヤモンドです。成分や輝きなどは天然ダイヤモンドと同じです。
製作費用は、0.2カラットで約50万円です。ジュエリー加工(指輪・ネックレスなど)も可能です。
遺骨ダイヤモンドに対するお坊さん(僧侶)の意見
Aさんからのお電話の数日後、お坊さん(僧侶)とお話する機会があり、遺骨ダイヤモンドについて質問をしました。
宗教的な問題はないですよ。大切なのは、残されたご家族様が納得できることです。故人を忘れず、大切に。
そして、その方(Aさん)の心の支えになるのが遺骨ダイヤモンドであれば、最も良い(供養の)方法ではないでしょうか。
との回答でした。
遺骨ダイヤモンドの依頼者様の意見
また、実際に遺骨ダイヤモンドの依頼者様(故人の奥様:Bさん)の言葉ですが、
(夫が)お墓の中で1人でいるのは寂しいはず。遠くのお墓よりも、(遺骨ダイヤを)ジュエリーにして、お守りの様に毎日身に着けたい。どこにでも一緒に行けるでしょ。一緒にいると思うと元気ももらえる。
個人的にとても印象に残っています。遺骨ダイヤの完成をすごく楽しみに待ち望んでいるようでした。
Bさんは、ダイヤモンド完成後にネックレスへ加工されました。お手元に届いたネックレスを身に着けてとても喜んでいました。ダイヤモンドが届く間に旅行先も決めていたようで、「一緒に旅行に行ける!」と楽しそうでした。
結局は人それぞれが良いと感じて、その人の価値観に合っていることが大切なんだと思います。
ご遺骨をどこかに納める「以外」の場合は、ご家族・親族との相談がおすすめです
お墓や納骨堂など特定の場所に遺骨を納める場合は特に問題はないと思いますし、ご家族・親族からの反対も少ないはずです。
ただし、遺骨ダイヤモンド・海洋散骨の場合は「遺骨が手元に残らない」ので注意が必要です。
- 遺骨ダイヤモンド:ご遺骨を別の形に加工する
- 海洋散骨:ご遺骨を海にまく
供養の対象物が無いことへの違和感
特定の場所(お墓など)に遺骨が残らないことに反対する方は、少なからずいらっしゃいます。単に「お墓が良い」という理由ではなく、供養の対象物が無いことに違和感があるようです。
具体的に言えば、お彼岸・お盆・節目の法要に「お墓参りができない・何に手を合わせたら良いのか分からない…」という事です。実際、お墓(お墓参り)が心の拠り所となっていて、気持ちをリセットできる場所と感じている方も多いです。
反対に、そこまでお墓・遺骨に対して重要視していない方もいらっしゃいます。
こういった考え方や価値観の差は、ご家族内であっても意見が分かれるかもしれません。そのため、すべての遺骨をダイヤモンド・海洋散骨する場合は、一度ご家族・親族へ相談される事をおすすめします。
ご遺骨の「一部をお墓や納骨堂」・「一部を遺骨ダイヤモンド」で供養が多い
当社の場合、遺骨ダイヤモンドのご依頼で多いパターンは、
既に先祖代々のお墓がある。ご遺骨の一部を先祖代々のお墓に納骨して、一部を遺骨ダイヤモンドにする。
この場合、お骨壺を2つ用意して【お墓用とダイヤモンド用】に分けて収骨をします。
この様に「ご遺骨の一部をお墓や納骨堂に納める。一部を自由に供養する」であれば、従来通りに特定の場所(お墓など)に遺骨を納めることを重要視するご家族・親族から反対される確率は低いと思います。
現時点でお墓がある場合は、【従来の供養方法 + 新しい供養方法】が理想的なのかもしれませんね。
もちろん、今現在お墓も無いし、この先も購入予定が無いので遺骨ダイヤモンドをご注文される方もいらっしゃいます。
お墓+海洋散骨をご希望の場合も、【お墓用と海洋散骨用】に2つに分けて収骨をします。
今あるお墓を「墓じまい」して、遺骨ダイヤモンドを選ぶ方もいます
少し話がそれますが、
- 今あるお墓(納骨済み)をやめて、納骨していた遺骨を取り出してダイヤモンドにする
- 今あるお墓(まだ誰の遺骨も納骨していない)へ納骨予定だったけれど、お墓への納骨をやめて遺骨ダイヤモンドにする
上記の様に、将来の事を考えて【昔からのお墓(または、一度も納骨していないお墓)をやめる】決断をされる方もいらっしゃいます。
納骨されていた遺骨(または、手元にある遺骨)は、遺骨ダイヤモンド以外に、永代供養の合葬墓などを選択される場合も多いです。
今あるお墓をやめる場合は「改葬(かいそう)」手続きが必要です
「今あるお墓をやめる」とは、「ご遺骨を取り出してお墓を更地に戻して霊園管理者へ返す」ことで、世間一般に【墓じまい】と言われます。まだ納骨されていないお墓を返す場合は比較的簡単です。
ただし、「お墓をやめる ⇒ 取り出した遺骨を別のお墓などに移す(遺骨を移動させる)」場合は、【改葬(かいそう)】と言います。改葬は役所での手続きが必要です
「今あるお墓から遺骨を取り出し、その遺骨を別の場所に移す」
この様に遺骨を別の場所に移動させるには「改葬」手続きが必要です。今のお墓の管理者、新しいお墓の管理者、役所の許可などが必要です。
改葬の詳しい情報は役所にご相談ください。
お墓をやめる(墓じまい・改葬を選ぶ)主な理由
お墓をやめる主な理由は、「お墓の承継者(維持管理する人・墓守)がいない、または将来的にいなくなることが確実」等です。
一般的には、子 ⇒ 孫 ⇒ ひ孫 …と、墓守が続く予定で購入されますが、ご家族の生活状況は急に変化することもあります。必ずしも年齢順に亡くなるとも限りませんし、お墓の近くに家族が住むとも限りません。予定通りに行かない場合は多々あります。
今現在、お墓の事で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。少子高齢化が進んでいますので、お墓の承継者問題はこの先さらに大きくなるかもしれませんね。
- 現時点でお墓がある・ない
- お墓の中に遺骨がある・ない
- お墓をやめる・やめない
など、色々な組み合わせでやるべき手続きも異なります。焦らずにゆっくりとご家族・親族で話し合うことがおすすめです。
まとめ
お一人おひとり、生まれ育った環境や信仰している宗教、経験、価値観など、異なる部分は沢山あります。
親切心からの助言であっても、受取る相手の考えや価値観に合うとは限りません。他人からの言葉が気になるのも理解できますが、大切なのは「ご自身が納得できるか?」だと思います。
時代とともに、供養方法や考え方も変化しています。
例えば、昔は「人とペットが一緒のお墓に入る」ことはタブーでしたが、今はペットと一緒に入れるお墓もあります。これも、ある人にとっては嬉しい事でも、ある人には抵抗感がある・反対意見も必ずあるはずです。
お葬式も十数年前と比べると変わりました。数年前までは、一日葬(告別式のみ)という言葉さえありませんでしたが、この1~2年は数多くのご依頼があります。新型コロナの影響が大きいのですが、時代がどう変化するかは本当に誰にも分かりません。
個人的には、選択肢が増える事は良い事だと考えています。でも、新しいモノやサービスが世の中に広く認知されるまでは、反対意見も当然あると思います。
その中で、ご自身が「良い」と思ったものを選択することが大切です。その方があとで後悔が無いと思います。ただし、1人で決断をせずに、ご家族・親族で話し合うことがおすすめです。
世界に1つだけの大切なご遺骨に関することですので、決して焦らずにゆっくりとご検討ください。
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