6月末~7月上旬にかけて、お葬式のご依頼・事前相談でのご来店、ご自宅に伺ったり、思い返すと色々と集中している時間が長かった様に思います。
そんな中、あるお客様(Aさん)からの一言
早いもので、今年も半分終わりましたね。
一瞬、「ハッ!」としてしまいました。1年も残り半分、本当に早いですね。
何かに集中していると、時間の流れはとても早く感じます。でも、逆に「その集中していること」に助けられる場合もあります。
夢中に助けられる
Aさんは、昨年末にご主人様の葬儀のご相談で来店。半年の間で状況が変わったため、改めて相談に来られました。
この半年間に「ご主人様の容体の変化」・「施設や病院とのやり取り」・「親戚間でのトラブル」など色々とあったようです。
昨年末から色々忙しく過ごしてきましたけど、ようやく最近少し落ち着きました。以前、相談に来てから今日まで半年も経っているのに…本当にあっという間。
最初は不安だらけでしたけど、とにかく無我夢中で。後は、きちんと主人を見送ってあげるだけです。
相談に来られた時は、ご主人の病状が突然悪化し、悲しみと不安で押し潰されそうな一面がありました。
この半年間、色々な問題がある中で「次は?次は?」と不安を打ち消すように夢中に行動したことが、結果として良かったようです。気持ちも随分と落ち着かれている様子でした。
また、別の方(Bさん)は
葬儀が終わってから、あいさつ回りや香典返し、四十九日法要に喪中はがき、お墓を探したり、一周忌の準備…
この約1年、やることが続いて大変だったけど、何もしないで一人で悲しんでいるより良かった。
近所の人もご飯や散歩に誘いに来てくれて、一人でいる時間が少なくなって、個人的に助かりました。
とおっしゃっていました。
以前、何かの本で【人は何もしない状態でいると、マイナスな感情・思い出が浮かんでくる】と読んだ記憶があります。Aさんも、Bさんも「何かに夢中」だったことが本当に良かったんだと思います。
誰もがなり得る可能性がある症状
人は大切な人を失うと深い悲しみに包まれて感情が不安定になり、不安・孤独・無力感・うつ・睡眠障害などが表れ、日常生活が困難になるケースもあります。
しかし、これは決して異常なことではなく誰もがなり得る可能性があります。この様な症状(グリーフ:Grief)は「時間や家族・友人などのサポート」によって徐々に癒されます。
お二人とも、やるべき事に集中していて、一人で悲しみに捕らわれなかったことが良かったのかも知れません。もちろん、家族や友人の存在も大きいと思います。
時間の感じ方は「相対的(人によって感じ方が異なる)」
少し余談として、物理学者アインシュタインが唱えた「相対性理論」では、
時間は、絶対的(全員が同じ様に感じる)ではなく、【相対的(人によって感じ方が異なる)】である。
と説明があります。さすが天才学者、むずかしい…
また、別の説明では、
熱いストーブの上に手をかざすと「1分が1時間」のように感じられる。
でも、素敵な女の子と話していると「1時間が1分」のように感じられる。それが相対性です。
とユーモアのある説明も。こちらの方が感覚的に分かり易いですね。
時間は、伸びたり縮んだり…
- 楽しい時間は、あっという間に過ぎる
- 嫌な事は、時間が長く感じる
【時間の感じ方は、その時の状況や感情によって異なる】
時間は一定ではなく、伸びたり縮んだりする…
不思議な現象?(感覚?)ですが、確かに全員が体感する経験だと思います。
趣味や友人との交遊、定期的に行う法要やお墓参り・お盆・お彼岸…
「何かに集中して楽しんだり、時には故人を思い出したり」
月日が経過する中で繰り返すことが、悲しみを癒す良いバランスなのかも知れません。
忘れることも大切
人には「時間が経てば忘れたり、怒りや悲しみが収まったり、何かに集中することで他の事を忘れられたり」という能力が自然に備わっています。
良い意味で、記憶が薄れたり、忘れたりすることは、生きていく上で絶対必要なんだと思います。
故人との思い出や楽しい記憶を無理に消す必要はありませんが、いつまでも悲しんでいては、きっと故人も喜ばないと思います。悲しい記憶だけでは生きていけませんし、無理に思い起こす必要もないと思います。
少しずつ前向きに生きるために、少しずつ「忘れる」…
悲しみが時間とともに、少しずつ「薄れてくる」…
自然なことで、とても大切なことだと思います。