お葬式相談窓口(事前相談)

お坊さん、それは誤解です…

ブログ・スタッフ

誤解すること、されること。できれば避けたいですが、誰もが人生で何度か経験することだと思います。

こちらの言葉足らずだったり、相手が一方的だったり、修復できる場合もあれば、もう放っておこうと諦める場合も。

今回のお話は、誤解というか、勘違いというか、思い違いというか… あるお葬式(1日葬)で、「お坊さんから想像もしていない事を言われた」そんな雑談的なお話です。

途中、「御布施(お坊さんへの御礼)の金額」についても書いていますので、よろしければご覧ください。

葬儀社が喪主に「1日葬(告別式のみ)」を強要している?

Aさんからのお葬式のご依頼

  • 喪主:Aさん(長男)
  • お葬式:1日葬(告別式のみ)
  • 菩提寺:B寺

Aさんは3年前(2018年)に事前相談を利用され、最初は家族葬の予定でしたが、コロナ禍と費用面の都合で「1日葬(告別式のみ)」へ変更をしました。

1日葬は、お通夜を省いて「告別式のみ」を行うお葬式です。家族葬をよりシンプルにしたお葬式です。

菩提寺のB寺は、Aさんの祖父からお付き合いがあるようです。

菩提寺とのやり取り

担当スタッフがB寺へ確認の電話をした際、お坊さんから想像もしなかった言葉が

お坊さん:1日葬ですか。最近は1日葬が増えてますね。葬儀屋さんとしては、お通夜を行わない分、アルバイトなどの人件費が安くなるのでしょう。

まぁ、喪主のAさんから1日葬と言われたので構いませんが。・・・(その他色々)

ちょっと刺々しい… 何か偏った情報をお持ちなのか、当社では関係のないアルバイト費用についても…

B寺の話をまとめると

  • 最近、1日葬が多い
  • 葬儀社が喪主様へ1日葬を勧めている(?)
  • 1日葬は葬儀社側にとってメリットがある(?)

担当スタッフとしては、【私たち(葬儀社)がAさんに1日葬を強要した】と受取れる内容だったようです。

もちろん、私たちはAさんに1日葬を強要はしていませんが、とにかくB寺は「1日葬に納得がいかない」そう感じました。

その後、Aさんに話を聞くと

B寺には『1日葬でお願いします』と伝えて、住職から聞かれたのは日時と場所くらいですかね。あっさりOKしてくれましたよ。

という回答でした。

お葬式では喪主(ご家族)様のご希望が最優先

B寺にとって1日葬が不都合?、1日葬が嫌い?、過去に1日葬で印象が良くない葬儀社に当たったのかな?と色々考えましたが、不機嫌だった理由がわかりません。

特にこちら側の対応としても問題は無かったと思います(無いと思いたいです)。

その後、お坊さんと直接お会いして、改めて1日葬になった経緯をご説明したので一応は誤解(?)が解けたとは思いますが…。

私たちとしては、家族葬でも1日葬でも直葬でも、Aさん(喪主・ご家族様)が希望するお葬式をサポートすることが最優先と考えています。ご希望や状況を伺った上で、いくつかのお葬式プランをご提案はしますが、最終的に決断されるのは喪主(ご家族)様です。

そして、喪主(ご家族)様のご希望を最優先に考えるのは、葬儀社も菩提寺(寺院)も同じだと思います。

MEMO

お葬式を行うには「葬儀社・喪主・お坊さん」、3者の連携協力が欠かせません。
あまり言いたくはありませんが、自分(お坊さん)が最も偉いというか、主役意識のお坊さんが時々います。私たちはまだ許せますが、喪主様に対して高圧的な態度は間違っていると思います。

コロナ禍のお葬式において、1日葬(告別式のみ)は最適解の1つ

正確なデータは持ち合わせていませんが、ここ最近(特に2021年)、1日葬が増えているのは確かです。

その理由の1つは、もちろん「新型コロナウイルス」です。

新型コロナ発生から現在(2021年)まで、「どの様にお葬式を行えば良いのか?」について、葬儀社でも戸惑いや試行錯誤がありました。

お葬式を行うと必然的に

  • 人が一か所に集まる
  • 葬儀式場までの移動(車・電車・バス)
    ※他府県をまたぐ移動も含む。

が起こります。

3密(密集・密閉・密接)の回避を基本として、故人様のご家族・親族がお互いに感染対策を意識する(参列について配慮する)必要もあります。コロナ禍で「お葬式に参列しない」と苦渋の決断をされた方もいます。

お葬式を行わずに「直葬(火葬のみ)」を選択される方も一定数いらっしゃいますが、やはり最低限のお葬式を希望される方がとても多いです。その中で、最適解の1つが「1日葬(告別式のみ)」です。

  • お別れの場・時間も確保できる
  • 人との接触を最小限に抑えられる

加えて、葬儀費用も家族葬(お通夜・告別式を行う)に比べて少し削減できるのもメリットです。

現時点(令和3年)で、「お葬式+感染対策 ⇒ 1日葬を選択」は自然な流れだと思います。

MEMO

1日葬では、お通夜の料理や式場使用料(お通夜の使用料)などを削減できます。

喪主様と葬儀社で葬儀費用を削減したとしても、「御布施」が重要

参考:ご不安に思う方が多い【御布施(お坊さんへの御礼)】について少しお話しします。

Aさんは最初は家族葬(お通夜・告別式を行う)が希望でしたが、費用を少し削減したいとのことで見直しをしました。直葬(火葬のみ)もご提案しましたが、やはり最低限のお葬式は行いたい気持ちに変わりはありませんでした。

新型コロナ感染対策と葬儀費用を抑えるために、「1日葬+オプション削減(お料理など)」をご提案してAさんが納得のいく内容へ変更になりました。

あと残る費用は、「御布施(お坊さんへの御礼)」です。

Aさんとしては御布施もできるだけ抑えたい部分ですが、御布施の金額はB寺へ確認するしかありません。

Aさんには参考として

当社のご紹介であれば、家族葬で15万円・1日葬で10万円ですが、一般的な寺院の場合は家族葬で25万円前後、1日葬であれば少し安いかもしれません。

とお伝えしました。

結果的には、1日葬で25万円だったそうです。

家族葬でも同じなのか?1日葬で少し安くなって25万円なのか?は分かりませんが、Aさんの正直な気持ちとしては「高い」でした。

もし、Aさんが直葬(火葬のみ)を選択していた場合はどうなっていたのか… もしかすると、直葬でも25万円だったのかもしれません。

御布施の金額は、私たち葬儀社の予想を超える場合が多々あります。お葬式・葬儀費用を考える際に、意外と御布施を忘れてしまう方も多いですが、御布施はとても重要です。

お坊さんも喪主(ご家族)様の経済状況を考慮してほしい

葬儀社と喪主様とで、納得のできる内容まで葬儀費用を抑えたとしても、お坊さんが御布施の金額を下げてくれないこともあります。

過去に、経済的に厳しい理由で「直葬(火葬のみ)」を選ばれた方がいらっしゃいました。

  • お葬式:直葬+小さなお花飾り
  • 葬儀式場:ご自宅
  • 総額:25万円

上記内容のお葬式(直葬)を行いましたが、御布施が「40万円」という事がありました。

喪主様がお坊さんに事情を説明しましたが、「うちの寺はこの金額で決まっている」と聞き入れてもらえなかったようです。

喪主様は悩みましたが、

先祖代々お付き合いがあるし、お墓も寺院内にあるし、これからの事も考えると…

と御布施を渡しました。事情を説明したにも関わらず…さすがに残念な気持ちになりました。

「お気持ちで結構です」が「お気持ちで済まない」場合もあります

よくあるお話ですが、喪主様がお坊さんに御布施の金額を聞くと、「お気持ちで結構です」という回答は多いです。

でも、実際には相場的なものが各寺院にあります。

「お気持ちで」と言われて15万円を渡したら、後日「少ない」と言われた方もいます。ちなみに、私が過去に聞いた御布施の最高額は500万円です…絶句しました。

もちろん、お坊さんにも生活があるので一定の金額は理解できますし、親切なお坊さんも本当にたくさんいます。

お寺の大きさ(檀家さんの数)の違いなどが、金額差に表れるのかもしれませんが、時には状況に応じて融通も必要だと思います。特に、今後もお付き合いが続くご家族(檀家さん)の場合は尚更だと思います。

MEMO

御布施の相場は、一般葬や家族葬(※)の場合で「25万円前後」だと思います。ただし、あくまで参考程度とお考え下さい。
※お通夜・告別式・初七日法要の読経+戒名などを含む。

まとめ

お坊さんからの誤解… 正確には誤解・勘違い・思い違い…どれに該当するのか難しいですが、想像もしていない言葉を受けると、やっぱり悲しいです。

同じ言葉でも声のトーンで印象が変わります。あまり考え過ぎないのも大事かもしれませんが、強い言葉は頭に残ります。言葉って不思議な力がありますよね。とにかく、Aさんのお葬式を無事に終えられたことが何よりだったと思います。

途中、御布施についてお話ししましたが、御布施はとても大切な部分です。

御布施には明確な相場(金額)は無く、寺院ごとに異なります。もし想像以上に高額な場合は、言い難いかもしれませんが勇気を出して「無理です!」と言いましょう。お坊さんも人間なので、言わないと分かってくれません。

お坊さん側にも事情があると思いますが、喪主様が費用面で困っている場合は、少しでも汲み取っていただければと思います。

現在のコロナ禍でお葬式を行う場合、1日葬(告別式のみ)は最適解の1つだと思います。

そのため、葬儀社として1日葬のご提案は確かに増えていますが、決して強要はしません。最終的に「どの様なお葬式を行うか?」を決断されるのは、喪主(ご家族)様です。

感染対策として、参列者数の制限などの協力をお願いしていますが、家族葬・1日葬・直葬…、どの様なお葬式であってもサポートいたします。

菩提寺がない場合は、「無宗教(お坊さん無し)」でお葬式を行うのも1つの方法です。

まだまだ3密を避けた小規模のお葬式が続くと思いますが、お葬式に参列したい人が自由に参列できる世の中に戻って欲しいですね。

雑談的なお話のつもりでしたが、長文になってしまいました。最後までご覧いただきありがとうございます。何かお葬式についてお困りごとなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。