四十九日法要は、命日(または命日の前日)から数えて49日目に行う法要です。でも実際には、49日目【前】の土日祝日に行うことが一般的です。また、命日~49日目までを忌中(きちゅう)と言い、四十九日法要を終えると「忌が明ける」ので「忌明け法要」とも言います。
四十九日法要は大切な法要と言われますが、【何%くらいの人が四十九日法要をきちんと行うのか?】気になっている方も多いと思います。
結論から言えば、基本的に法要を行うか?行わないか?は故人様のご家族様の自由です。でも、人によっては「菩提寺との関係、親戚の考え」などを考慮する必要もあります。法要をきっかけに関係性が悪くなることは避けましょう。
今回は、四十九日法要について当社スタッフの実感も含めてお話したいと思います。
約80%の人が四十九日法要を行っている?
当社ではお客様の法要や納骨などについては、すべてを把握していません。もしご依頼・相談があれば、必要に応じてサポートをする方針だからです。基本的にはどの葬儀社さんも同じだと思います。
ただ、四十九日法要については、
- 四十九日法要を◯月◯日に行う予定なので、法要場所について相談なんですが…
- 四十九日法要で、またお坊さん(僧侶)を紹介して欲しいんですが…
- 四十九日法要を行うので、香典返しの準備をしたいのですが…
など、ご家族(喪主)様から何かしらのご相談が多いです。
当社の実感としては、約80~90%人が四十九日法要を行っていると思います。ただし、直葬(火葬のみ)・無宗教葬・生活保護葬でお葬式を行った方を除いたデータです。
法要の規模(人数)は、お葬式に比べて少人数になる場合が多いです。例えば、お葬式は「家族と親族(十数人~数十人)」で行ったけれど、四十九日法要は「家族だけ(数人)」という感じです。
法要を行うか?は基本的にご家族様の自由です。ご家族・親族の皆さんが納得しているのであれば「法要なし」で問題ありません。参考程度にお考え下さい。
四十九日法要を行うか?は「基本的に」ご家族様の自由。だけど…
法要を行うか?行わないか?は「基本的に」ご家族様の自由です。
なぜ、「基本的に」を付けたかというと、理由が2つあります。
その理由の1つは「菩提寺」の存在が影響するからです。
菩提寺(ぼだいじ:お付き合いのある寺院)の中には、「四十九日法要は行うべき」という考えで喪主様に話を進めることもあります。中には、お葬式終了後すぐに「四十九日法要ですが、◯月◯日でどうでしょうか?」と菩提寺(の住職)からお話があったと喪主様からよくお聞きします。
決して強制ではない思いますが、「ほぼ強制に近い」と感じた喪主様もいらっしゃいます。
もちろん、喪主様が「四十九日法要はやりません!」と断ればそれまでなのですが、菩提寺との関係やこれからのお付き合いも考えると断り辛い場合も当然あると思います。
菩提寺には「家族で相談をして、後日ご連絡します」と伝えましょう
お葬式では「故人様とのお別れに集中できる」ことが最重要です。お葬式中に法要の事を考える(思い浮かぶ)余裕のある方は非常に少ないはずですし、法要の事は完全に忘れていても大丈夫です。
法要については、喪主様1人ではなく他のご家族・親族の都合も聞かなければ決定はできませんので、お葬式終了後にゆっくり検討しましょう。
もし、お葬式終了後すぐに菩提寺の僧侶から四十九日法要についての話が出た場合は、
「法要については、家族・親族と相談してから後日ご連絡します」
と伝えれば良いと思います。
親族(おじ・おば等)への配慮も必要
2つ目の理由は、「目上の親族(おじ・おば等)」です。
基本的には【故人様の家族】が法要を行うか?行わないか?を決定しても良いとは思いますが、故人への想いや法要についての考え方は人それぞれです。
やはり故人の兄弟姉妹にあたる「おじ・おば」の気持ちや意見も配慮すべきだと思います。
ご自身(喪主)だけの判断ではなく、必ず他のご家族・親族へは連絡をしましょう
もし、ご自身がお葬式で喪主を務め、法要を取り仕切る立場であったとしても、ご自身(喪主)1人だけの判断で決定せずに、必ず他のご家族・親族にも連絡する、意見を聞くことがおすすめです。
親戚の意見をまとめるのは大変だと思いますが、お葬式や法要で親戚関係が悪くなるのは避けましょう。
四十九日法要の準備は出来るだけ早く
四十九日法要は命日から数えて49日目なので、日数に余裕があると感じると思いますが、
- 命日~お葬式終了までに既に数日~1週間が経過している場合がある
- 実際には49日目【前】の土日祝日に行う
上記の2つを考えると、残りの準備日数は想像するほど余裕がありません。
さらに、四十九日法要の予定日が、お盆(8月)やお彼岸(3月・9月)の法要時期と重なると、法要場所の確保や僧侶の都合を調整することが難しくなります。
四十九日法要の準備は出来るかぎり早くすすめることがおすすめです。
最初に【法要の予定日】を決定、あとは必要に応じて予約・確認を取っていく
法要の内容・順序はご家族様ごとに多少異なります。
「家ごとに法要内容が異なる?」と疑問に思われた方も多いかもしれませんが、代表的な項目で言えば「四十九日法要と一緒に納骨をするか?しないか?」です。
さらに、法要の開式時刻・お墓までの距離などによって「食事を法要後にする?納骨後にする?」も変わります。
法要の内容を決めていく上で、まず以下のポイントを考えましょう。
- 誰が法要に参加するか?
- 法要の場所(広さ・席数)
- 僧侶あり?なし?
- 納骨あり?なし?
- 食事あり?なし?
- 食事の場所
まずは【法要の予定日】を決定し、その後は必要に応じて葬儀社・菩提寺・料理店などに予約・確認を取っていきましょう。
決まった順番はありませんが、「僧侶あり」で行う場合は、菩提寺(僧侶)の予定を最優先に押さえることが重要です。法要に関する具体的な準備や必要なモノ等については、菩提寺にお問い合わせください。
四十九日法要の流れ(参考例1~3)
先ほどご説明したように、四十九日法要の内容・順序は「法要場所+納骨+お食事」などの組み合わせで異なります。法要と一緒に納骨も行う(予定)場合は、菩提寺に相談しましょう。
【参考1】
法要場所:ご自宅
納骨あり、食事あり
- ご自宅で僧侶の読経
- お墓へ移動し、納骨
- 料理店でお食事
- 解散・帰宅
【参考2】
法要場所:葬儀社のホール
納骨あり、食事あり
- 葬儀社のホールで法要
- 同所でお食事
- お墓へ移動し、納骨
- 解散・帰宅
【参考3】
法要場所:ご自宅
納骨なし、食事あり
- ご自宅で僧侶の読経
- ご自宅でお食事
- 解散
※納骨は後日行う。
法要を行わなかった場合 ⇒ 供養の仕方は人それぞれ
四十九日法要を行わなかった場合、故人様への供養は人それぞれ自由で良いと思います。これは、一周忌や三回忌、お盆・お彼岸であっても同じです。
- お仏壇や遺影前に、故人がお好きな花や供物(お菓子や飲物等)をお供えする。
- お食事の時に食卓に遺影を置いて思い出話をしながら一緒に食べる。
何でも良いと思います。供養の仕方は自由です。個人的には「故人を思い返す」それだけでも十分な供養になっていると思います。
四十九日法要の後、一周忌・三回忌・七回忌と進むにつれて法要を行う人は少ない
四十九日法要より後に行う「年忌法要(ねんきほうよう」ですが、一周忌・三回忌・七回忌と進むにつれて法要を行う人も徐々に少なくなると思います。
一周忌法要までは親戚が集まって行う場合が多いですが、三回忌・七回忌になると徐々に「各ご家族・個人」単位での法要に自然と移行する場合が多いです。
実例で言えば
喪主(長男):今年の三回忌法要は、それぞれの家族で自由にやろう。
という言葉をきっかけに、その後の法要は親戚で集まらない場合もあります。
まとめ
法要に関しては、気にされる方・気にされない方がハッキリと分かれると思います。
法要を行わない方は、四十九日法要はもちろん一周忌・三回忌なども行いません。でも、お盆やお彼岸、命日などにお墓参りには行く方は多いです。
故人様への供養は自由で良いと思います。1人1人が色々な想いや感謝の気持ちで供養をすることが最良だと思います。お墓参りもその1つです。
法要をするか?しないか?は「基本的に」自由とご説明しましたが、菩提寺がある方・目上の親戚がいる方は自由ではない場合も多いと思います。
ご自身が故人様の家族(お葬式で喪主を務め、法要を取り仕切る立場)の場合、「法要は自分たち家族だけで自由に決めたい」気持ちも分かりますが、どうしても考慮すべき事情がある場合は仕方がありません。法要をきっかけに、菩提寺・親戚との関係が悪くなること避けましょう。
特に、四十九日法要と一周忌法要の2つは大切な法要とされていますので、最低限この2つをきちんと行えば、それ以降の法要に関しては「各ご家族で自由に」としても問題ないと思います。