住み慣れた、思い出がたくさん詰まったお家(自宅)でのお葬式をご希望の方もいらっしゃると思います。
近年、特に都市部では「公営斎場(市町村が運営する火葬場併設の葬儀式場)」や「葬儀社の葬儀式場」でお葬式を行うことが多くなりました。その他に、自治公民会館・集会所・寺院などを利用する地域もあります。
一方で、「自宅でお葬式は可能ですか?最近ではそういった人は少ないですか?」とご相談もいただきます。確かにご自宅でのお葬式は少なくなりましたが、まだまだ自宅葬を希望される方は一定数いらっしゃいます。
新型コロナの影響もあるかもしれませんが、昨年(2020年)は自宅葬のご依頼・相談が例年より多くありました。
プライベートな空間でのお葬式は、あたたかく素敵なものだと思います。そんな自宅葬についてのポイントを簡単にまとめましたので、よろしければご覧ください。
このページでは、マンション・団地・アパートなどの集合住宅をまとめて「マンション」としてご説明します。
自宅葬のご依頼は「故人様の希望」も含む
自宅葬のご依頼は、ご家族様の希望だけではなく、
- 自宅で最期を迎えたい
- 自宅に帰りたい
- 自宅で家族に見送られたい
など【故人の希望を叶えてあげたい】という気持ちも大きな理由の1つです。
お葬式の内容は様々ですが、当社では年間十数件ほど自宅葬のご相談・依頼をいただきます。また、「自宅でお葬式はしないけれど、一度連れて帰りたい」も含めると、年間数十件ほどになります。
自宅葬では「小さな家族葬・一日葬」が多いです
ご自宅(お部屋の広さ)にもよりますが、基本的には数名~10名様ほどの「小さな家族葬」が一般的です。または、お通夜を行わず告別式のみで済ませる「1日葬」を選ばれる方も増えています。
- 1日葬(告別式のみ)のお葬式は問題ない?
- 基本的には問題ありません。どのようなお葬式を行うか?はご家族様の自由です。
お坊さん(僧侶)も1日葬を経験済みの方が多いので、反対される可能性は非常に低いと思います。
※当社の「お坊さん紹介」をご利用の場合は、全く問題ありません。
- 洋室・和室どちらが良いですか?
- どちらでも対応可能です。祭壇セッティングの際には、床に防水シートなどを敷きます。
- 適さない部屋はありますか?
- エアコンが無いお部屋はお控えください。特に夏場はドライアイス処置のみではご遺体への影響が大きいです。
また、「自宅葬は希望しないけれど、一度自宅に連れて帰ってあげたい」という方も非常に多いです。
ご自宅で故人様を安置した後に「自宅でお葬式を行うか?公営斎場などの葬儀場を利用するか?」をゆっくり決めることも可能ですので、まずはご相談ください。
自宅葬を行う場合の重要ポイント2つ
自宅葬を行えるか?を判断する上で、重要なポイントは2つです。
- お部屋の広さと参列者数のバランス
- ご出棺の経路(スペース)
1.お部屋の広さと参列者数のバランス
お部屋の広さと参列者数のバランスは、ご家族様ごとに異なりますので明確にお伝えすることはできませんが、自宅葬では基本的には少人数(5~10名程度)の場合が多いため、お部屋の広さが8~10畳ほどあれば可能だと思います。
2.ご出棺の経路(スペース)
自宅葬で最も重要なのは「ご出棺が可能かどうか?」です。お棺が出棺できなければ自宅葬はできません。
お棺の標準サイズは【縦×横×長さ(cm)=約60×60×200】になります。玄関からのご出棺が基本ですが、お庭の掃き出し窓からご出棺する場合もあります。
※マンションの場合の注意点は後でご説明します。
「出棺が可能か?」の判断は、経験のある葬儀社スタッフでなければ難しいと思いますので、この点については葬儀社に相談・判断してもらうのが安心です。
マンション(ご自宅が2階以上)の場合は、エレベーターのチェックが必要です
先ほどご説明した2つのポイントをクリアすれば、一戸建て・マンションのどちらでも基本的には自宅葬が可能です。
「マンションでお葬式が可能?」と意外に思われる方も多いですが、条件が整えば可能です。
マンション(ご自宅が2階以上の場合)の場合は、ご出棺時にエレベーターの【トランクルーム】を利用しますので、まずその点の確認が必要になります。もし、エレベーター内の壁にマットが張られている場合は、マットを剥がすとトランクルームの扉が見えます。
管理人さんにトランクルームの有無や使用規則、鍵の受渡し方法などをご確認ください。また、マンション内でお葬式を行う場合の注意事項等も確認しておくと安心です。
ご近所さんへの配慮とその他の細かなポイント
状況によっては関係のない項目もありますが、その他のポイントもご紹介します。
- ご近所さんへの配慮
- 駐車場
- ご親族の宿泊場所(ホテルなど)
- お坊さん(僧侶)の控室
中でも自宅葬で大切なのは、「ご近所さんへの配慮」だと思います。基本的には、ご近所の方にご迷惑をお掛けするような事はありませんが、
自宅でお葬式を行います。ご迷惑をお掛けするかも知れませんが、何卒よろしくお願い致します
とお声掛けしていただく方が良いと思います。
物理的に自宅葬ができない場合もあります
ご自宅の間取りや周辺環境などで、どうしても自宅葬を行えない場合もありますので、予めご了承ください。
その理由としては、
- ご自宅前に車(寝台車など)を停車できない
- マンションでエレベーターが無い
などがありますが、やはり最も多い理由は「お家から出棺できない」です。
ただし、「ご自宅での安置(一度ご自宅に連れて帰る)」でしたら可能な場合は多いです。お葬式は他の葬儀式場で行うことになりますが、ご自宅安置をご希望の方は一度ご相談ください。
自宅葬をご希望の場合は葬儀社さんのホームページを確認しましょう
当社では自宅葬を承りますが、もし他の葬儀社さんへご依頼される場合は、必ず事前相談がおすすめです。まずは、葬儀社さんのホームページを確認しましょう。
自宅葬プランが無い(依頼を受けない)葬儀社さんもありますし、大手葬儀社さんは自社の葬儀式場(ホール)でのお葬式が基本になるため、自宅葬を受けない可能性が高いかもしれません。ホームページを見ても分からない場合は、直接電話をして確認しましょう。
実際にあったお話(最初から自宅葬の依頼を受ける気がない葬儀社?)
Aさんはお父様が危篤になり、ある葬儀社(以下B社)に「自宅でお葬式がしたいんです…」と相談したところ、「大丈夫ですよ」と即答で返事をいただいたそうです。
しかし、お亡くなりになった直後にB社へ電話をしたところ、「一戸建てですか?自宅葬は無理ですね」とあっさり断られたそうです。急遽、当社にご依頼をいただきました。
Aさん宅は、出棺には多少人手が必要でしたが、間取り的に全く問題がありませんでした。
これは個人的な意見ですが、B社への最初の相談で【詳しい間取り・周りの環境】などの質問がなかった時点で、B社は自宅葬を行う気はなかったのかもしれません。
自宅葬をご希望の場合は、事前確認がおすすめです。葬儀社へ「自宅を確認(下見)してほしい」とお願いするのも良いと思います。
ご自宅は世界で1つだけの葬儀式場
近年、利用者が増えている公営斎場(市町村が運営する火葬場併設の葬儀式場)は、確かに便利な面も沢山あります。駐車場も広く、参列者が多数でも十分に対応可能です。
しかし今は、新型コロナ感染対策のため「最小限の人数」でのお葬式が一般的です。
少人数であれば、ご自宅でのお葬式も十分に可能です。
2021年に入ってからも「家族だけのお葬式なので、感染対策も含めて自宅でしたい」と希望される方が時々いらっしゃいます。新型コロナが収束するまでは、自宅葬を選ばれる方が少し増えるかもしれませんね。
ご自宅でのお葬式は確かに大変な部分もあります。一方で、ご依頼を頂く度に「良いお葬式」と感じることは本当に多いです。
ご自宅は世界で1つだけの葬儀式場です。きっと、人によっては最も心が落ち着いた状態で最期のお別れができる場所かもしれません。
自宅葬をご希望の方、自宅葬でお悩みの方は、いつでもお気軽にご相談ください。プライベートな空間でのあたたかいお葬式をサポートいたします。
お問い合わせ
新家葬祭
〒599-8232 大阪府堺市中区新家町541-12
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