『人生フルーツ(Life is Fruity)』。2人合わせて177歳。ニュータウンの一隅で暮らす建築家夫婦のドキュメンタリー映画です。
介護・貧困・孤独死など、超高齢化社会への不安が膨らむ現代。そういった中で「年を取っていくのも“楽しい”と思える」そんな映画だと思います。監督である伏原健之さんは、「若い世代に見てほしい」と願っているようです。
雑木林と畑に囲まれた小さな平屋。結婚生活60年。お互いに「さん」付けで呼び合い、畑で採れた野菜と果実でおいしい手料理。質素だけれど、とても幸せそうな夫婦の暮らし。
ある有名な建築家は言いました。
家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない。
高齢夫婦の姿から「人生を豊かにするヒント」が見つかるかもしれません。
私は実際に観ましたが、ほのぼのとして好きな映画でした。良い意味で、自分の人生・将来をちょっと考えるきっかけになると思います。
ご興味のある方は是非ご覧ください。
2022年現在、DVD販売や動画配信もないようですが、一部の映画館で再上映されているようです。
ストーリー
愛知県春日井市にあるニュータウンの一隅。雑木林に囲まれた一軒の平屋。それは建築家の津端修一さんが、師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建てた家。
四季折々、キッチンガーデンを彩る70種の野菜と50種の果実が、妻・英子さんの手で美味しいごちそうに変わります。刺繍や編み物から機織りまで、何でもこなす英子さん。
ふたりは、たがいの名を「さん」付けで呼び合います。長年連れ添った夫婦の暮らしは、細やかな気遣いと工夫に満ちていました。
自然との共生を目指したニュータウン計画
夫の修一さんは1925年生まれ。東京大学を卒業後、建築設計事務所を経て日本住宅公団へ。
阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地などの都市計画に携わりました。1960年代、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウンを計画。
しかし、経済優先の時代がそれを許さず、完成したのは理想とは程遠い無機質な大規模団地。
修一さんは、それまでの仕事から距離を置き、自ら手掛けたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育てはじめました・・・。
あれから50年、ふたりはコツコツ、ゆっくりと時をためてきました。そして、90歳になった修一さんに新たな仕事の依頼がやってきます。
映画・劇場情報
映画:「人生フルーツ」
主演:津端修一・英子
監督:伏原健之
ナレーション:樹木希林
製作・配給:東海テレビ
大阪では2017年1月14日(土)から「第七藝術劇場(大阪市淀川区十三)」にて公開です。ご興味のある方は是非ご覧ください。
2022年現在、DVD販売や動画配信もないようですが、一部の映画館で再上映されているようです。