生命保険(死亡保険金)に関して
死亡保険金の「受取人」は私だけど、相続人全員で分けないといけないの?
など、死亡保険金が「故人の遺産(相続財産)」に含まれると考える方もいらっしゃいますが、死亡保険金は「受取人に指定された人の固有の財産」ですので、相続財産(遺産分割協議の対象)には含まれません。相続人で分け合う必要はありません。受取人に指定された人が、個別に保険会社へ請求手続きをして受取りが可能です。
一般的な生命保険契約では、夫が死亡した場合、受取人は妻が多いと思います。妻が単独で契約先の保険会社へ連絡し、保険金の受取りが可能です。
また、【受取人が既に死亡している】場合は、その受取人の法定相続人が代わりに保険金を受け取ります。
死亡保険金が「相続税」の対象になる場合もありますが、あまり気にされなくても大丈夫です。詳しくは保険会社にご相談ください。
まずは、契約先の保険会社へ連絡
受取人に指定されている本人が、保険会社へ請求します。必要な書類や手続きは、各会社の案内に従って進めましょう。通常、手続き完了後1~2週間で指定の口座へ入金されます。
一般的に必要なものは下記になります。詳しくは各保険会社にお問い合わせください。
- 保険証券
- 被保険者(故人)の除籍謄本
- 死亡診断書のコピー
※当社スタッフが数枚ご用意します。
※原本は必ず役所へ提出します。もし、原本が必要な場合は病院で再発行。 - 受取人の戸籍謄本や身分証明書
- 受取人の印鑑証明書
請求権は「3年」で消滅
一般的に生命保険(死亡保険金)を請求できる期間は「3年」です。期間は十分にありますが、できるだけ早く手続きを済ませましょう。
もし受取人が「既に死亡していた」場合
冒頭でご説明したように「生命保険金は受取人の固有の財産」です。そのため、本来の受取人が既に死亡していた場合は、その受取人の法定相続人(その人の財産を相続できる人)が、代わりに保険金を受取ることになります。
故人が遺言書を残していない場合、故人の遺産は「民法で定められた相続人」が相続します。その人たちを「法定相続人」と言います。
▼法定相続人については、以下のページが分かりやすいです。
相続放棄をした人が受取人の場合
相続放棄は、故人の財産(プラス・マイナス両方)をすべて法的に放棄することです。
しかし、保険金は「受取人の固有の財産」ですので、故人の財産とは関係ありません。そのため、相続放棄をした人でも、受取人に指定されていれば保険金は受け取れます。
相続放棄をした人が受取人の場合は「非課税枠の適用」が受けられません。全額が課税対象になります。
死亡保険金にかかる「税金」の種類
死亡保険金にかかる税金は、「被保険者・保険料の負担者・受取人」によって異なります。
相続税が課税されるのは、「被保険者」と「保険料の負担者」が同一人物の場合です。契約者ではなく、保険料を負担していた人がポイントです。
被保険者 保険をかけられている人 死亡した人 | 保険料の 負担者 | 受取人 | 税金の 種類 |
---|---|---|---|
妻 | 妻 | 所得税 | |
妻 | |||
妻 | 子 | 贈与税 |
死亡保険金の受取人が「法定相続人」の場合は「非課税枠」の適用があります
故人の財産は相続税の課税対象になります。財産額(課税対象)が多い場合は、相続税の支払いが必要になります。実際に相続税の支払いが必要になる人は10%未満ですので、あまり心配されなくても大丈夫です。
死亡保険金も相続税の課税対象になる場合がありますが、受取人が法定相続人の場合は「非課税枠」制度があります。【500万円×法定相続人の数】が受取金額から控除さまれます。
受取金額が2,000万円で非課税枠が1,500万円の場合、2,000-1,500=500万円が課税対象になります。
夫・妻・子2人のご家族で、夫が死亡した場合。法定相続人は「妻・子2人」の3人です。
非課税枠:500万円×3(妻+子2人)=1,500万円
まとめ
基本的に生命保険の請求手続きはむずかしくありません。受取人が保険会社に連絡をして指示通りに手続きを進めれば大丈夫です。1~2週間で完了します。
時々、状況が複雑な場合もありますが、慌てる必要はありません。お葬式終了後、少し気持ちや状況が落ち着いた時点で保険会社に相談をしましょう。