近年、お葬式事前相談をご利用される方が増えています。実際、基本的なお葬式の流れや総額費用を知っておくことは大切です。ご家族様からも「相談しておいて良かった」とお言葉も多くいただきます。
その事前相談で、時々「同じご質問」があります。その内容は、
他社の広告で【家族葬 ◯◯万円】と見たんですけど、同じ金額で可能ですか？内容はどんな感じですか？
問題点は【◯◯万円】が非常に安いことです。
今回は「一般的な家族葬を行うには金額が安すぎる、そして実際の内容は直葬（火葬のみ）の広告」に関するお話しです。ご参考になれば幸いです。
「こんな広告を見たらお客様が勘違いする可能性もあるし、広告表示としてはどうなんだろう？」という内容です。特定の葬儀社様を批判するものではありません。
一般的な「家族葬」のイメージ
家族葬と聞くとどんなお葬式をイメージされますか？一般的には、「ご家族や友人などの少人数で行う小さなお葬式」だと思います。
そして、葬儀式場（または自宅）を利用してお通夜・告別式を行い、供花や供物などをお供えし、お料理を振る舞い、僧侶などに読経をいただいてお見送りするお葬式。そんなイメージだと思います。
実際、当社に家族葬をご依頼いただく方もその様なお葬式をご希望です。
問題は「◯◯万円」の部分が非常に安いことです
冒頭の「家族葬 ◯◯万円」の広告のお話しに戻ります。
問題は【◯◯万円】の部分です。例えば、「家族葬 50万円」の広告であれば、葬儀社スタッフとしても納得できます。
しかし、問題は「非常に安い金額」のものです。ご相談いただいた（お客様から見せていただいた）、【家族葬 ◯◯万円】の広告は「8～20万円」でした。
- 家族葬 8万円（税別）～
- 家族葬 15万円（税別）～
- 家族葬 20万円（税別）
実際は家族葬ではなく、「直葬（火葬のみ）」のお葬式
まず、基本的に8～20万円の範囲で、葬儀式場を利用して、花祭壇・お棺・遺影写真・霊柩車・お料理・火葬料金（堺市2万円）などを全てご用意することは不可能です。
つまり、上記の様な低価格の広告は皆さんが想像される家族葬ではなく、「直葬（火葬のみ）」になります。
ご質問いただいた方と一緒に広告内容を詳しく確認すると、やはり家族葬ではなく「直葬（火葬のみ）」でした。
【直葬】とは、お通夜・告別式を行わず、「病院⇒葬儀社の安置室⇒火葬」という最もシンプルなお葬式です。基本的には「火葬のみ」です。僧侶の読経もありません。
家族葬と直葬（火葬のみ）では内容が大きく異なります
家族葬はいわゆる一般的なお葬式の形式です。しかし、直葬（火葬のみ）は祭壇もなく・宗教儀式を行わず・火葬のみで非常にシンプルです。
広告を出す側（葬儀社）からすれば、現在の家族葬人気を考えると「直葬20万円」より「家族葬20万円」とする方が、広告効果が高まる考えかもしれませんが、正確には【直葬◯◯万円】と表示すべきだと思います。特にお葬式・喪主が初めての方は誤解する可能性も十分にあります。
もちろん、過去にお葬式（喪主）を経験された方の中には
「最近、20万円くらいでお葬式ができるって広告見るけど、火葬だけですよね。お坊さんの御布施でもそれ位必要なのに。」
とご理解している方も多いですが、勘違いをする方も一定数いらっしゃると思います。
非常に低価格な広告は「追加費用」に注意が必要です
下記の様に非常に低価格な広告は注意が必要です。
- 家族葬５万円～
- 家族葬８万円～
ここまでご説明した通り、内容はもちろん家族葬ではなく「直葬（火葬のみ）」ですが、絶対に必要な「お棺・骨壺・ドライアイス」が別途料金、当然に「火葬料金」も含まれていませんでした。
追加費用を加算すると、最低でも総額20～25万円（税別）でした。この様に、最低限必要な物が含まれていない（＝絶対に追加費用が発生する）広告もありますのでご注意ください。
【参考】家族葬にはっきりとした定義はありません
実は、家族葬の明確な定義はありません。確かに、「直葬（火葬のみ）でも家族だけで行えば家族葬だ」と言う事も否定できないかもしれません。
仮に広告主（葬儀社）がそういう意味で「家族葬」と使えば、広告として成立するのかもしれません。しかし、葬儀社は一般的な家族葬と直葬（火葬のみ）の内容が明確に異なることを理解しているので、少し無理があると思います…
5名様だけの家族葬もあれば、50名様以上の家族葬もあります。お料理を振る舞う方、振る舞わない方もいます。確かに、家族だけで行うお葬式を家族葬とすれば、直葬も家族葬なのかもしれません。
ただし、世間一般に認知されている家族葬は「家族でゆっくりとお別れするお葬式＝きちんとお別れの場・時間を設ける」であり、直葬（火葬のみ）ではないと思います。
もし可能であれば、葬儀社の事前相談のご利用がおすすめです
ご家庭の事情も様々ですし、家族葬・直葬（火葬のみ）・１日葬（告別式のみ）…どんなお葬式をご希望されるかも自由です。また、お葬式を行う場所も「ご自宅・公営斎場・集会所・お寺…」と自由です。
葬儀社の広告は、基本的に大多数の方に当てはまる（ご依頼が多い）プランの一例です。実際には、ご家族様ごとに詳細内容は異なります。
詳細なお葬式内容は、様々な事情を考慮して組み立てます
お葬式の日程や内容は、ご家族様の希望や都合、その時の状況（火葬場の混雑など）に応じて組み立てます。そのため、すべての状況に対応可能な「追加料金なし」プラン提供はむずかしいため、広告のプランはあくまで基本プランとお考えください。
- ご家族・親族の都合で日程を延ばしたい
- 火葬場が非常に混雑している
- 検視（検死）になり検案書の発行が遅れた
- etc…
葬儀社の考えでは、「病院で死亡 ⇒ 安置室で1～2日安置 ⇒ 葬儀場へ搬送してお葬式」など平均的な日程を想定して、葬儀プランを提示するケースが多いと思いますので、その想定から外れる場合は追加費用が発生します。
必ず葬儀費用の「総額」を確認しましょう
低価格の広告に惹かれる気持ちもわかりますが、大切なのは「本当の総額費用」です。そのため、お時間がある方は事前相談を利用し、必ず総額見積りを取ることがおすすめです。
まずは地元（お葬式を行う地域）の葬儀社さんがおすすめです
お葬式に関するお悩みを解決するには、地元（お葬式を行う地域）で店舗がある葬儀社がおすすめです。その地域のお葬式の事は、やはり地元の葬儀社さんが一番良く知っています。
「お葬式日本全国対応」や「各都道府県の葬儀社が掲載されている」ようなサイトは葬儀社仲介業者です。
もし、そのサイト内で良い思う葬儀社があれば、直接その葬儀社に依頼してあげてください。
当社も大阪府以外の方からご相談をいただきますが、その地域の慣習や火葬場規約・料金が不明ないので、いつも基本的な情報以外は「お近くの葬儀社さんにご相談ください」とお伝えしています。
他社様の広告をご覧になって、当社にご相談や相見積もりをいただくことは、とてもありがたいです。
ご覧になった広告と全く同じようには難しいと思いますが、できる限り対応いたしますので、お気軽にご相談ください。
お葬式のご依頼・ご相談・お問い合わせ
新家葬祭
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