先日、ご依頼いただいたご自宅での家族葬。「火葬だけ、お坊さんも必要ない」が故人様の遺言でした。
しかし、打合せを進めるとお付き合いのある寺院(菩提寺)があり、寺院墓地もお持ちでした。そして、「やっぱりお経くらいは…」とご家族の希望もあり、急遽予定変更。
この時点で午後5時。火葬場は明日11時で予約済みです。予約を変更すると、最短で明後日の16時になってしまい、ご家族様の都合が合いません。
今からお坊さんに連絡を取り、何とか予定通りに明日10時から告別式を行うことがベストだと決まりました。
何度かけても留守番電話
すぐに菩提寺へ連絡をして、明日10時からのお勤め(読経)を依頼することになりましたが、何度かけても留守番電話…
その間、私たちは役所手続きやご納棺、お花などのセッティングを完了し、明日の準備は整いました。
もし、このまま菩提寺(住職)と連絡が取れない場合は、残念ですが読経を諦めるという事になりました。
数時間後、喪主様から「住職さんと連絡が取れました。明日、9時半に自宅に来てくれるそうです」とお電話があり、少しホッとしました。
見覚えのない木魚
翌日、ご自宅にお伺いすると「見覚えのない木魚」がありました。
喪主様曰く
昨日、電話に出れなかったのは、他のお家の葬儀があったみたいです。
電話で事情を話したら、晩遅くに自転車で来てくれてね。嬉しかった。
また、その日(告別式)のお勤めは、ご自宅での読経のみだと思っていましたが、火葬場にも一緒に来てくださいました。戒名も、故人様の人生を表した素敵なものでした。
住職は年齢60代くらい。とても謙虚で、言葉遣いも丁寧。ご家族はもちろん、私たちスタッフにも優しく接してくれました。
時には友人として見送りたい
住職と少しお話をしましたが、
最近は、告別式だけ・火葬だけの葬儀がとても多いです。
先日も、火葬炉前の読経だけでした…
葬儀のかたちは、お家の方が決める事だと思いますが、個人的に故人と長年の友人である場合もあり、少し寂しくも思います。
私の立場は僧侶ですが、時には1人の友人として、故人を見送りたい気持ちもあります…
とおっしゃっていました。
火葬炉前での読経だけの場合は、葬儀後にもう1度お家に伺って読経させてもらうこともあるようです。
お坊さんも地元の学校に通い、同級生が檀家さんの場合もあるので、きちんと見送りたい気持ちはとても分かる気がします。
優しいお坊さんが増えて欲しい
お坊さんの中には、横柄な人や御布施が高額(家の事情を考慮してくれない)、葬儀日程をお家の都合に合わせてくれない人もいます。
「檀家さんが多いお寺・檀家さんの数が少なくて維持が難しいお寺」、お寺の事情も様々です。もちろん、お坊さんもボランティアではありませんので、御布施(収入)も必要です。
でも、ちょっと御布施が高すぎることもあります。葬儀費用を抑えようと家族葬に選択しているのに、葬儀費用より御布施が高いことも時々あります。
お坊さんも人間なので色々な人がいて当然ですが、やっぱりお坊さんは「悩みや悲しみを和らげてくれる存在」であってほしいです。ご遺族に対して、やさしく親切に接しているお坊さんを見ると「必要な存在」だと感じます。
今回のような、檀家さんに寄り添うやさしいお坊さんが増えれば、宗教(檀家)離れも少なくなるかもしれませんね。
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